専門部会について
がん登録専門部会:活動実績抄録・学会報告・冊子等
愛媛県内全施設の院内がん登録データを集計し、毎年発刊しています。
このたび『がん登録でみる愛媛県のがん診療2023 施設別集計 (院内がん登録2021年診断症例より)』を2023年4月に発刊しました。
がん登録でみる愛媛県のがん診療 2013~2021年診断 公開データ
はじめに
『がん登録でみる愛媛県のがん診療 2023 施設別集計(院内がん登録 2021 年診断症例より)』を上梓します。
愛媛県のがん診療連携拠点病院とがん診療推進病院が参加する愛媛県がん診療連携協議会(協議会)・がん登録専門部会は、役割の1つとして実務者の研修・情報交換の場を担ってきました。『院内がん登録情報・解析研修会(解析研修会)』は、院内がん登録の利用促進を目的とし、実務者自身が自施設などのデータを分析し評価を行うための研修会です。この本は、解析研修会が平成 25 年以来毎年発行している成果物の 11 冊目にあたります。各施設が院内がん登録を共通のフォーマットで集計・解析したものです。県全体版は協議会のHPにおいて、web版で公開されています。
院内がん登録は、各病院にとっては自施設のがん診療を把握するための、行政にとってはがんに対する医療資源の実情を知るための重要な資料です。また、住民・患者にとっては近くの病院がどんながん診療を行っているかを知るための最も身近ながん情報となります。『がん診療連携拠点病院等の整備指診』では、協議会に要求される役割として、『都道府県内の拠点病院等の院内がん登録のデータやがん診療、緩和ケア、相談支援等の実績等を共有、分析、評価、公表等を行う』ことがあげられていますが、それを果たすための重要なツールの1つとなっています。
2021年は、愛媛県全体でみるとコロナ禍の影響を受けたがん診療の回復がみられた年でした。登録された総数(症例区分80を除く)は13,687件で前年より383件増加しました。 初回治療件数(症例区分20-31)、発見経緯ががん検診等であるがんの数なども2019年以前のレベルにもどりました。一方、各々の病院への影響や、詳しいがん情報を見るとコロナ禍の影響がまだ強く残っていることを伺わせます。この冊子や専門部会HPでご確認ください。
愛媛県内の8割以上の悪性腫瘍が院内がん登録に登録されています。この冊子を各施設の診療や愛媛県のがん対策のための基礎資料として少しでも活用して頂ければ幸いです。参加施設の代表者のコメントと各施設の実務者による解説が記載されていますので、ご参考にしてください。
ただし、がん登録のルールなどを熟知しておかないと解釈の難しい部分があります。詳しく知りたい方は各施設のがん登録実務者にご相談ください。
最後になりましたが、本研修会および本資料作成にあたりご協力ご指導頂きました各 施設の皆様に御礼申し上げます。
令和 5 年 4 月
愛媛県がん療連携協議会 がん登録専門部会長
寺本 典弘