専門部会について

がん登録専門部会:活動実績抄録・学会報告・冊子等

愛媛県内全施設の院内がん登録データを集計し、毎年発刊しています。
このたび『がん登録でみる愛媛県のがん診療2025 施設別集計 (院内がん登録2023年診断症例より)』を2025年4月に発刊しました。

 

 

がん登録でみる愛媛県のがん診療 2013~2023年診断 公開データ

 

 

はじめに

『がん登録でみる愛媛県のがん診療 2025 施設別集計(院内がん登録 2023 年診断症例より)』を上梓します。
愛媛県がん診療連携協議会・がん登録専門部会は、県内のがん登録の体制の整備を目指し、実務者の研修・情報交換の場としての役割を担ってきました。『院内がん登録情 報・解析研修会(解析研修会)』は、院内がん登録の利用促進を目的とし、実務者自身が自施設などのデータを分析し評価を行うための研修会です。この本は、解析研修会が 2013 年以来毎年発行している成果物の 13 冊目にあたります。愛媛県の各施設の院内がん登録データを共通のフォーマットで集計・解析し『施設別版』として刊行しまし
た。県全体版はタイムリーな更新や利用者の利便性の向上のために、愛媛県がん診療連携協議会のHPにおいて、Web版で公開することにしています。
院内がん登録は、がん登録推進法に基づき、各病院が自院のがん情報を登録するデータベースで、各病院にとっては自施設のがん診療の内容を、がん対策を担当する行政機 関にとっては行政区域内の医療資源を把握する重要な資料になります。さらに住民・患者にとっては、近くの病院がどんながん診療を行っているかを知るための最も身近で確かな情報源です。そのため院内がん登録の集計結果は『がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針』においても地域住民に提示するべき重要な情報とされています。現実のがん診療に即した適切な方法でがんの診療情報が収集・集計されて、その結果がん対策、実際の診療、研究、住民の安心に繋がることが院内がん登録目的です。この冊子が、県内の院内がん登録の成果として各施設の診療や愛媛県のがん対策のための基礎資料として少しでも活用して頂ければ幸いです。ただし、がん登録のルールなどを熟知しておかないと解釈の難しい部分があります。詳しく知りたい方は各施設のがん登録実務者にご相談ください。
今回の冊子には、新型コロナ感染症の5類移行、松山赤十字病院の新病院オープン、愛媛県人口130万人割れ・松山市人口50万人割れなど人口動態など様々な社会事情と合わせて読み解くべきデータが収載されています。解析結果に対して、参加施設の代表者のコメントと各施設の実務者による短い解説を記載しておりますので、ご参考にしてください。

最後になりましたが、本研修会および本資料作成にあたりご協力ご指導頂きました各施設の皆様に御礼申し上げます。

 

令和 7 年 4 月
愛媛県がん療連携協議会 がん登録専門部会長
寺本 典弘