専門部会について
がん登録専門部会:活動方針・目的院内がん登録とは
院内がん登録とは
院内がん登録は各病院が、自施設のがん診療を把握するために行うものです。
院内がん登録は、がん1例ずつについて、氏名・性別・生年月日などの個人情報や、がんの診断日・部位・組織型・進行度・初回治療・紹介など腫瘍情報が登録されます。当院のようながん診療連携拠点病院においては院内がん登録を必ず行うことと決められています。同じ基準で登録されていないと、施設間で診療の比較ができないので、日本の院内がん登録は『院内がん登録標準登録様式』に従って各施設同じ基準で行われています。
院内がん登録の役割は多彩ですが、その例をいくつか挙げます。
話題になりやすい施設別の5年生存率はこれを元に算出されます。自施設症例数や初回治療の把握、紹介がん患者数の把握、それを通じた自施設機能の把握や提示が可能です。また、多施設間で比較すると、地域における診療機能の過不足や患者の流れ、また診療の標準化なども見て取ることが出来ます。
院内がん登録のもう一つの機能としては、全国がん登録への情報提供があります。院内がん登録の情報が全国がん登録情報の中核となります。
全国がん登録は全数把握による地域のがん医療の全体像(わかりやすい言葉で言えば、全愛媛県住民に発生した全てのがんの医療の有様)を知ったり、対策を立てたりすることが第一の目的です。行政的ながん対策には全国がん登録が重要だとされていますが、医療対策を立てるにあたってどんな診療機能がその地域にあるか知るためには院内がん登録が必要なので、院内がん登録もやはり政策的にも重要です。登録は研修を積んだ腫瘍登録士が医師の協力の下に行います。
愛媛県の院内がん登録
愛媛県では7つのがん診療拠点病院、8つのがん診療推進病院で院内がん登録が行われています。各施設で、国立がん研究センターから認定を受けた腫瘍登録士が多数実務に携わっています。
院内がん登録の登録数は徐々に増加しており、2020年診断症例で13,262件です。これは全国的に見てかなり高い割合を占めており、予想されるがん発生数の8割以上をカバーしています。愛媛県の院内がん登録はその精度の高さを評価されています。がん登録専門部会の元、互いに協力し、研修(院内がん登録実務者研修会・院内がん登録情報・解析研修会)を通じて更に高い精度と有効ながん登録情報の利用を行います。
院内がん登録は全国がん登録の情報源として一番優れていますので、愛媛県の院内がん登録から大半の情報を得る愛媛県の全国がん登録を日本一の精度とすることを目指しています。